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道端に飛ばされた、あの麦わら帽子を・・・拾おうとして。

339: Stoico 2004/07/19 23:33:00 ID:8nhZsR+r

長文ですいません><が若い時の思い出を書いてみます。


大学一年生の夏、初めて買ったバイクで旅行をした。北の生まれで、ほとんどまともに海で泳いだことが無い
僕にとって、それは心躍る試みだった。

丸2日かけて逗子までいったその翌日、まっすぐな海岸線を走っていた。そこには僕しか走っていなかった。
すると、風に揺られた麦わら帽子が目の前に飛び込んできた。
バイクを止めてそれを拾い、あたりを見回すと女の人が声をかけてきた。
「すいません・・・ ありがとう。」
夏なのに色白いその彼女は、ちょっと照れくさそうだった。

今考えるといかにもだが、それが彼女との出会いだった。

特別、美人でもなく、いったって普通の彼女に不思議と惹かれ、彼女も特別な魅力が無い僕を不思議に受け入れてくれた。
当時でいう僕たちの文通は1年続いた。そして翌年も同じバイクで彼女に会い行った。
また同じように文通が1年続き、僕は卒業の年を迎えていた。
あまり大きいところでは無いけれど、東京での就職もなんとか決まっていた。







340: Stoico 2004/07/19 23:34:00 ID:8nhZsR+r

そして、その年も彼女に会いに行った。
いつものように彼女は麦わら帽子をかぶり、いつものように意味や結末の無い話をして、花火をやって、漁り火を一緒に眺めた。
とはいっても彼女と僕には意味のある時間だった。今でもそう信じている。
ただ、この年はいつもと違う事を僕の方から話した。「東京で一緒に暮らそう」
彼女は考えてみる。とだけ僕に告げた。

帰省後、数日経って、いつものように彼女からの電話を待った。
なぜか僕が帰省した直後に、彼女の方から必ず電話をかけてくるのが常であった。
考えてみれば僕が無事に帰ったかどうか、彼女の気遣いだったかもしれない。

そして、そのいつもの電話が来ずに、おかしいなと思った僕は、
彼女の家に電話をしてみると、彼女の母親が信じられないことを僕に告げた。

あの通りで彼女は死んだ-。

急すぎて何がなんだかわからなかった。僕は反射的に一度、電話を切ってしまった-。その場に崩れ落ちた。
今でもこの後の数時間、僕は何をしていたのか憶えていないし思い出せない。

その後、僕は喪服にバイクという滑稽な格好で、直ぐに逗子向かった。
着いたのは深夜0時を回る前。葬儀場となった彼女の家は、むせ返るような暑さだった。

彼女は、僕があのように告げた翌日、僕達が過ごした海岸に行き、しばらく独りで物思いにふけった後の帰り道に事故に合った。
道端に飛ばされた、あの麦わら帽子を・・・拾おうとして。

よくよく聞いてみれば、彼女と僕の事を、彼女の両親はあまり知らず、それも僕をいっそう悲しくする事実だった。


341: Stoico 2004/07/19 23:35:00 ID:8nhZsR+r

翌日、僕は海岸で途方に暮れた。
そこで大の字に寝っ転がっていた。

どんな形をした雲も彼女の横顔や一瞬のしぐさに見えた。
ただただ涙が止まらなかった-。
上着もズボンも砂だらけでめちゃくちゃになっていた。
どうでもよくなった。総ての事が-。

ここでいつまでもこうしていたい思っていた、その時。
僕はあるものを見た後に、涙でもう何も何も見えなくなっていた。

それは、事故の後に見つかっていなかった、
風に揺られて降りてきた彼女の麦わら帽子でした。

あれから20年を経て、僕は幸いにも逗子に住み、ここからこれを書いています。

長文ですいませんでした。



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