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僕は自分の偽善者ぶりに殺意が沸いた。彼女のことを本当に忘れられないのならあらゆる手段で彼女を探すべきだった。

166: 名無しさん 2007/02/15 21:29:01 ID:JowXdCeb

僕ともういない彼女のこと誰かに知ってほしいので書きます

2週間ほど前、16歳の恋人が亡くなった。生まれつき弱かった彼女の心臓が止まった。
僕と彼女が出会ったのは小3のとき、髄膜炎でとある県病院に入院したときだった。
病気のせいで一時的に足が不自由になった僕は松葉杖での移動を余儀なくされていた。
最初の出会いは最悪だった。病院内の曲がり角でぶつかった。彼女は大丈夫だったけど、僕は倒れて後頭部を強打した。
気がつけばベッドの上にいた。周りを見ると、看護婦さんと彼女がいた。彼女は僕に向かって何度も謝った。僕は状況が分からず、キョトンとしていた。
看護婦さんが何があったのか説明してくれた。僕は気絶したのだった。納得した僕は謝り続けている彼女に戸惑いながら、いいよいいよ、と許した。それが始まりだった。
お互いの病室を知った僕らは毎日会うようになった。同い年ということもあり、小3らしく無邪気に遊んだ。
僕が退院するとき、手紙のやり取りを約束した。理由は思い出せないけど1ヶ月に一通というやり取りだった。
書くことは毎回似たようなものだった。僕は学校での出来事を書いて送った。彼女は入院生活でのちょっとした出来事を書いて送ってきた。
そんなやり取りは中1の11月まで続いた。いや、11月で終わった。
彼女からの手紙が11月から止まった。12月の半ばまで待ったが彼女からの手紙が来なくなった。不安になった僕はもう一枚手紙を書いた。返事は3日後に返ってきた。
送り主は彼女が入院していた病院だった。内容を見て、呆然とした。
彼女は別の病院に移ったのだった。しかも彼女は自分のことは一切誰にも言わないように言っていたのであなたには何も教えられない。ということだった。
彼女は僕のことを捨てたんだ・・・そう思って僕は彼女のことを忘れようとした。
中2になってからはすっかり彼女のことは断ち切ったと思っていた。そう思っていた矢先、僕は学年1かわいいと噂されていた女の子に告白された。
放課後、学級委員長の仕事で一人で教室に残っていた僕にその子は告白してきた。多分誰もがOKするような感じだった。
でも、僕はためらいつつもこう言っていた。「ごめん、俺には大切な人がいるから。」
彼女がどう思っていても僕は彼女のことを忘れられなかった。告白されても断ってばかりいた僕はいつの間にか中3の冬、受験にむけて励んでいた。
彼女からの手紙は一度も来なかった。
2月の始め、塾の帰りに交通事故に遭った。頭から出血していて、僕は救急指定のある大学病院に搬送された。
怪我はたいしたことなく、2日で退院できると医師は告げた。
事故の翌日、ふと彼女のことをこの病院の人に尋ねてみた。もちろんダメもとだった。
尋ねた看護婦の返答は素っ気なかった。
「○○さんなら入院してますよ。△△△号室に。」
偶然なのか、必然なのか、彼女はこの病院にいた。
僕はすぐにその病室に向かった。その病室のドアの名札には確かに彼女の名前があった。
深呼吸をして、ノックした。中から女の人の声がした。どうなってもかまわない。そう思っておもいっきりドアを開けた。







167: 名無しさん 2007/02/15 21:56:15 ID:JowXdCeb

その時のことは、いまだにハッキリ覚えている。長い黒髪に白い肌、整った顔立ちに僕は見惚れてしまった。
「・・・・K君?どうして・・・。」
弱弱しい声で先に彼女が口をひらいた。小3の夏から一回も会ってないのに彼女は僕の名前を紡いだ。
僕はどうしても聞きたかったことを、なんで何も言わずに去ろうとしたのかを聞いた。
彼女は黙り込んだ。5分くらいの沈黙のあと
「いつか話すよ。今は、嬉しいから、素直に喜ばせてよ。」
そう言って、いきなり泣き出した。いきなりだったので僕は困った。ただ、彼女のそばに寄って頭を撫でるくらいしかできなかった。
泣き止んで落ち着いた彼女は手紙を送らなかった2年間のことをいろいろ教えてくれた。ただ、手紙のことには一切触れなかった。
退院してからも2,3週間ごとに彼女の病室を訪れるようになった。片道3時間の大学病院は毎日訪れることができないのでしかたなかった。
病院で彼女と過ごすのは、僕の楽しみとなった。病院内を散歩したり話したり、ごく普通のことがとても充実していた。
そうして高1の夏休み、彼女の病室に無理に泊まりこんだ。
夜中の1時、彼女はあることを教えてくれた。
夜というのは人が素直に、そして憂鬱になると友人が言っていた。そのとおりなのか、彼女は自分の病気を初めて教えてくれた。


168: 名無しさん 2007/02/15 22:24:41 ID:JowXdCeb

「私は、もうすぐ死ぬんだと思う。」
さりげなく言った彼女の言葉に僕は耳を疑った。
「医者は教えてくれないけど、なんとなく分かるの。もうだめなんだなって。」
彼女は生まれて一度も学校に行ったことも、どこかに遊びに行ったことも無かった。ずっと病院にいるのだった。
病名は分からないけど心臓が悪いようだった。彼女は病院を移ることになったとき、自分の死を悟ったらしく、彼女なりに迷惑だと思い、僕のことを断ち切ろうと思ったらしい。
定期的な手術をするようになり、事態は悪化しているということだった。
彼女はずっと独りだった。僕は自分の偽善者ぶりに殺意が沸いた。彼女のことを本当に忘れられないのならあらゆる手段で彼女を探すべきだった。そうすれば少しは彼女が楽になったかもしれない。
彼女は話し終えるとうつむいた。無言で聞いていた僕は彼女を抱きしめた。
「ごめん、本当にごめん」泣きながらそう言っていた。それは小3のときと逆のパターン。
彼女は 「いいよ、Kは悪くないよ」と震えた声で呟いた。
それから僕らはキスをした。お互いなりゆきのような感じだった。でも、僕は彼女が好きだった。
それからは恋人として彼女のそばにいた。それは病院の人も公認の付き合いだった。
彼女の担当の看護婦さんのアドレスを聞き、いつでも彼女と連絡できるようにした。
僕も彼女も幸せだった。 
「このまま病気、治るかもしれない。」
彼女は口癖のように会うたびに言った。
僕もそんな気がしていた。それほどまでに順調だった。
でも、それは所詮夢幻の理想だった。


169: 名無しさん 2007/02/15 23:01:42 ID:JowXdCeb

それは2週間ほど前の水曜日、昼前のことだった。ポケットの携帯からバイブの振動が伝わってきた。
こっそり携帯を開き、メールの内容を確認した。それは看護婦さんからのメールだった。そこには1文だけ
  彼女が倒れた。危ない状況
と書かれていた。僕は先生に体調不良と嘘をつき、授業をぬけだし、タクシーを拾った。
3時間後、病院についた僕は、タクシー代を看護婦さんに立て替えてもらい、彼女の病室に急いだ。
彼女は人工呼吸器をつけて、静かに眠っていた。手術でどうにかなるようなことではなく、ただ彼女の心臓が正常になることを待つしかなかった。
彼女は倒れたっきり意識が回復していなかった。
彼女の右手を握って彼女の名前を呼んだ。返事はなかった。
そのまま2時間ぐらい経過したとき彼女の意識が戻った。でも心電図は正常になってなかった。
呼吸器を外して、彼女と話した。消え入りそうな声で彼女は懸命に話した。
出会ってから今までのことを懐かしそうに話した。
「Kに会えて嬉しかった。素直に好きって思えてから過ごせた時間は短かったけど、私、幸せだった。ずっとずっとこのままKといたかったけど・・・・ごめんね。私、もうだめみたい。」
彼女は死ぬ。そう分かってこんなことを言っている。でも僕は受け入れられなかった。
「死ぬようなこと言うなよ、バカ。まだお前とたくさん話したり手を繋いだり、キスしたりしたいんだよ。お前が死ぬなんて不公平だよ。絶対治るって。だからがんばれよ。」
泣きながらそう言った。こんなにかわいくて健気で優しい子が死ぬなんてひどすぎる。そう思った。
彼女のことを泣きながら見ていると、彼女は握った右手を解いて、僕の涙をぬぐった。
「Kが泣かなくていいよ。私、死なないから。 だから、キスして。」
僕は、顔を近づけキスをした。唇を離すと、彼女は微笑んでいた。
「ありがとう、愛してるよ。K。」
そう言って彼女は目を閉じた。同時に心電図は波を映すのを止め、ピーっという音が病室に響いた。
医師と看護婦が心臓マッサージや電気ショックを試みた。
無駄だった。2月の始め、彼女は静かに死んでいった。


170: 名無しさん 2007/02/15 23:20:49 ID:JowXdCeb

後で知ったのだが、彼女の両親は彼女のことを半ば棄てていたらしかった。
治療費だけを払い、一度も彼女には会わなかったのだそうだ。
彼女は本当に独りだった。なにもしてあげられないまま彼女を死なせてしまった。
彼女が普通の女の子だったら、たぶん幸せになっていたんだと思う。世の中不公平だ。
生きたい人は生きられず、死にたい奴は自殺する・・・・。虫唾が走る世の中だ。
僕はいま医者を目指している、彼女のような子を救いたいからだ。
僕の部屋には一枚の写真がある。それは僕と彼女が写ったたった1枚の写真。
ベッドに座って仲良く笑っている写真。写真の中の彼女は色あせることなくずっとぼくのそばにいる。

写真の日付は2006年8月23日。僕と彼女が初めて出会った日と同じ日だ。



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